\エンタメわっしょい/

エンタメ好きの独り言

映画「インストール」感想

あらすじ(Wikipedia

 

受験戦争から脱落し、登校拒否児となった朝子。彼女はある日、マンションのごみ捨て場で小学生の男の子と出会う。その子は、朝子が捨てようとしていた壊れたコンピューターを欲しがり、朝子もそれをその子にあげることにした。ところが後日、いただいた試着品下着のお返しに図書カードを渡そうと、朝子が同じマンションに住む青木の家を訪ねると、中から現れたのはあの男の子だった。男の子は、あのコンピューターはなおすことができたと言い、朝子に、コンピューターを使った風俗チャットでのアルバイトを持ちかけてきた。そこで朝子は男の子―かずよしといっしょに、かずよしのメル友である売春婦の雅のかわりにそのアルバイトをすることにする。日中人のいない青木家に忍び込んで、押し入れの中のコンピューターで職業も年齢もバラバラな男たちとチャットをし、お金を儲ける日々。しかしある日・・・。

 

 

感想 ※以下、ネタバレ含みます。

 

まず・・・上戸彩さんのむちゃくちゃに可愛い女子高生!

今はもうすっかり大人の女性になった上戸彩さんですが、当時はまだ髪の毛もショートで幼さがあります!しかしその美少女が「スカトロってなーに?」とか聞いちゃう。しかも小学生に。

 

そして小学生な神木隆之介くんの圧倒的天使感。やばい。これは。

ショタコンの血が騒ぐ。やばい天使。毛穴がない。生物として完璧。

 

そんな神木大天使が上戸彩さんに向かって「おっぱい触らせてよ」とか「エッチ」とか「エクスタシー」とか言っちゃうんですよね・・・。

控えめに言ってやばくないですか・・・?

 

まあまあ、ビジュアルに関してはこれぐらいに抑えておきます。

 

綿矢りささん原作のこちら。

原作も十数年前()に話題になっていた時に読んでました。

繰り返し読んだ記憶はないけれど、読んだ当時私自身が多感な10代だった為か、自分でも映画を観て驚くほど内容を覚えていましたね。ほんとびっくり。

大筋の流れを覚えている作品は多くとも、セリフを覚えていることって少ないんですけど、「あ、この先知ってる。」みたいなセリフが多々ありました。しかも、チャットのやり取りを覚えてたりして。自分に驚き。

 

そして、物語の最初は、主人公の一人語りから始まります。

普遍的な毎日に嫌気がさしたり、自分は特別な人間だと思ったり、それと同じぐらいに特別でも何でもないと気付いたく主人公・・・その辺の自意識がめちゃくちゃに10代って感じ。私も「他とは違うのがいい!!」みたいな精神で10代を過ごしてきた派なので、この辺にはぐっとくるものがありました・・・。

読んでいた当時は、そんなとこ気にもならなかったはずなのになあww

 

 

途中途中にも主人公の語りが入るわけですけど、それが文学的で「ああ、小説が原作って感じする~!」って思いましたね。(語彙)

 

そして、物語のほとんどはパソコン(しかもマックのめちゃくちゃに古いやつ)とへたれた布団が敷かれた押し入れの中で行われるんだけど、これがまた淫靡でいい。

アダルトチャットに押し入れの中、赤いペディキュアを塗り制服で向き合う上戸彩ちゃん。そこに響くのはキーボードを叩く音。そんでもって上戸彩ちゃんが淫靡なチャットをしながらアンニュイな表情で「濡れた」とか囁いちゃう。

うん、これはエロい!直接的なヤツじゃなくて、背徳的なエロさね!

 

神木隆之介くんが普通に「ひとりエッチしてたぁ」とかチャットしちゃう世界だから、「天使が!そんな単語を!!教育上に悪い!!!!だがそこがいい!!!!!いやでも心配!!!!神木君の性癖が心配!!!!!」みたいな余計な感情が生まれてしまうw

 

いやだって、上戸彩お姉さんがセリフとはいえ「触ってみる?おっぱい」とか言っちゃうんですよ!?

汚れた大人なので、「こんな体験したら少年の今後の性癖に響くな・・・」とか、「おねしょた・・・よき・・・」とか考えちゃう。

あ、このセリフの後、神木少年おっぱい触ります。

あのなんとも言えない背徳的空間がとてもよかった。現実なのかバーチャルなのかわからなくなる感覚が、よく伝わってくる。

 

しかし、その直後に親フラw

実際、何でなのかやましいことをしてる瞬間に限って現れちゃうよねえ、親・・(遠い目)

 

スパーン!!と勢いよく開けられた押し入れと、眼力すさまじい青木母の笑顔。

怒鳴るでも泣くでもなく、笑顔。

目の前で義理とはいえ息子が・・・小学生が・・・女子高生のおっぱいに手を当てているというのに!!!笑顔!!!!怖っ!!!!!

 

・・・そうなんでした、この作品。お互いに家庭環境が少しいびつなんです。

「弟と妹どっちが欲しい?」とか既に性的知識を得ている青木少年に対して非常~に応えづらい質問をバスの中だろうがお構いなしにしてしまう青木母。

全てのモノがなくなったという娘の部屋の変化に全然気づかない、放任主義の小学校教諭(しかも青木少年の担任)である朝子の母。

 

朝子の母はどんな人間かというと、しょっぱな朝子が部屋を片付けまくって夜な夜な掃除機をかけたことを指摘するときに、「私がどうこうっていうか・・・ここ、マンションだから。」とだけ言うような人間です。

小学校教諭でありながら、自分の娘に対してこの対応。怒るでも注意でもなく、自分で考えなさいよとすべてを語らずして伝える母。人間的欠陥が伺える圧倒的一言。

 

映像的な部分で言うと、オープニングの映像に時代を感じる。正直、ダサい(笑)

なんていうか、ストーリーとかみ合ってない色味だった。

もっと情緒的な感じがよかった。

チャットシーンで上戸彩ちゃんが花魁姿でPCに向き合っているところも、ちょっと嫌だった。エロスを醸し出そうとしたんでしょうけど、中途半端な感じで振り切れてない。映像に華やぎが少なかったのかな・・?そのせいで、現実(押し入れ)との対比のバーチャル感も弱め。

 

主人公が10代だし、ポエマー的語り口だから多くは説明がないんだけど、あの精神世界みたいなのも映像的に中途半端。先生の扱いもよくわからなかった。先生出す必要あったかな?って感じ。無理に出す必要なかったんじゃないかな。要素として、先生のキャラクターは必要だったとはいえ、ちょっとキャラが強すぎて邪魔。

 

青木くんの母と、朝子の母が会うあの喫茶店もなんでそこチョイスしたの・・・?っていうような摩訶不思議な店。青木母のキャラ演出なのか・・・?とはいえ店が摩訶不思議すぎて青木母や朝子母の不器用な「母親」に目がいきにくい。

 

とかなんとか言ったけど、メインである押し入れはとてもよかった!!

あの狭く暗い空間に、パソコンと、へたりきった布団と、女子高生。時々、少年。

あの狭い空間で行われる非日常なひと時が、とても良い。

 

あと、まだネットと現実との繋がりが薄くて、現実の自分とネットの自分とが乖離していたあの時代を思い出しました。今ではネットなしの生活なんて考えられないけど、あの頃ネットの世界は非日常だったから・・・。懐かしい・・・。

PCもOSも古いし、アダルトチャットの質素なHP感も当時の妙なリアルさがあって「う、うわあ!!」っていう感覚に陥りましたw

 

しかしまあ、当時は読んでいても、「これが賞をとったすごいやつ?セリフ以外の部分はあまり何を言っているかわからんな」って感じていたのを記憶しているんですけど、この映画観てハッとしましたね。

当時17歳でこの小説をつくり上げた綿矢りさすごい。

原作読み返したくなりました。・・・実家にあるかなぁ??

 

そしてこの映画、圧倒的大天使神木美少年を見たい方にはぜひともおすすめしたい。